認知症ケア

ユマニチュードについて学ぼう

以下の記事は、ユマニチュードに関しての記事です。

「ユマニチュード」という言葉を聞いたことがありますか?認知症ケアの技法の1つとされ、150を超える実践技術から成り立っています。この主義は、介護の場面だけではなく、リハビリテーションでも大変役に立つ手技で、理学療法士として学ぶメリットは高いと考えます。今回は大まかな内容をまとめてみました。

ユマニチュードとは?

ユマニチュードはイヴ・ジネストロゼット・マレスコッティによって開発された、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法です。文字にすると難しそうに見えますが、誰にでも実践できる内容となっています。

例えば口腔ケアを行う場面で、抵抗が強いからという理由で手足を抑えたりしていませんか?その人は必死にもがき、大声で叫んでいます。

医療的な観点からみると、安全面を考慮してのことかもしれません。しかし、されている本人は必死に抵抗します。これは果たして正しい介入なのでしょうか?

口腔ケアを例に出しましたが、PTとしてリハビリを行う際も、拒否があり実施できないことが多々あります。

ユマニチュードではこの抵抗をその人の「防御反応」と捉えます。

認知症のBPSD( Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理状態)を引き起こす要因として、周囲の環境要因がよく挙げられます。ユマニチュードでは、認知症をケアする人も環境要因の一部と捉えます。

つまり、ケアを行う職員の対応によって、BPSDが出現するということです。認知症ケアを行う時は、常にこのことを心に留めておかなくてはいけません。

認知症について‐BPSDに対する対応について考える‐以下の記事は認知症についてまとめた記事です。 臨床の現場で認知症の人を担当する機会は大変多いです。認知症といえども症状の出方や進行具合...
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ユマニチュードの基礎的技法

それではユマニチュードの技法を見ていきましょう。

ユマニチュードは4つの技法を用います。

➀見る ➁話す ③触れる ④立つ です。

 

➀見る

・患者さんと水平の位置まで目線を下げる

・正面から目線を合わせる

・近い距離で目線を合わせる

・水平に目線を合わせる→「平等」、正面から見つめること→「正直・信頼」、見つめる時間が長くなること→「友情・愛情」を示すメッセージとなります。

➁話す

・優しく、歌うように、穏やかに話す

・自分が行っているケアを実況するように話しかける(オート・フィードバック)

例:「今から腕を洗いますね。」「服を着替えますね」等

・言葉の中にポジティブな発言を含む

・オートフィードバックは反応がない人に対しても有用

➂触れる

・広い面積で、ゆっくりと、優しく

・腕などを掴むのではなく、下から支えるように

・5歳児以上の力を使わないイメージ

・軽すぎるタッチは性的なニュアンスや触れてはいけないものを触る印象があるので行わない

➃立つ

・立つことは骨粗しょう症の予防につながる

・廃用の予防

・循環・呼吸機能への効果

・立つことはその人の尊厳を自信を取り戻すきっかけになる

以上が基本的な技術になります。

理学療法士が学ぶメリット

このように「ユマニチュード」は認知症ケアにおける有用な手技ですが、我々理学療法士がこの手技を学ぶメリットはあるのでしょうか?

理学療法士だから学んでほしい

臨床では認知症の人の担当になることが多いです。その中で、認知症の影響で思うようなリハビリが行えないことがあります。

そのような時、あなたはどうしていますか?

「どうせ認知症だから・・・」とあきらめていませんか?

そのような場面でも、この「ユマニチュード」は大変役に立つ手技です。

この「ユマニチュード」はケアの中身だけではなく、ケア行う前の段階から終えるまでの流れを大切にしています。

ぜひ皆さんもこの「ユマニチュード」を臨床の場で活かしてみてください。