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認定理学療法士は取得すべき?合格率は?給料への反映は?

日本理学療法士教会が認定理学療法士を創設して10年経過しました。この記事を見ている方の中でもこれから取得を目指す人や、すでに取得済みの方もいると思います。

今回は認定理学療法士について、給料・診療報酬への影響など、そして取得を目指すべきかどうか考えてみました。

認定理学療法士とは

認定理学療法士とは、理学療法士協会が制定した制度です。

以下、協会HPからの引用です。

自らの専門性を高める活動において、高い専門的臨床技能の維持、社会・職能面における理学療法の 専門性(技術・スキル)を有する理学療法士を、認定理学療法士として認定する制度                             PT協会より

取得するには

取得には新人教育プログラム修了者が絶対条件です。新人教育プログラム修了後、7専門分野(基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法)のいずれかひとつ以上の専門分野に登録します。

それから、各領域のポイント100P(領域によって異なる)+教会指定研修会40P+認定必須研修会20Pに出席しポイントを集めます。さらに症例レポートを10例提出し、レポートの内容と認定試験の点数の総合判定形式で合否が決定します。

取得出来る領域は

領域は、ひとを対象とした基礎領域、動物・培養細胞を対象とした基礎領域、脳卒中、神経筋障害、脊髄障害、発達障害、運動器、切断、スポーツ理学療法、徒手理学療法、循環、呼吸、代謝、地域理学療法、健康増進・参加、介護予防、補装具、物理療法、褥瘡・創傷ケア、疼痛管理、臨床教育、管理・運営、学校教育の23の領域に分かれています。

それぞれの領域で必要となるポイントが異なるので、

認定理学療法士(新規申請用)ポイント取得マニュアル

を熟読し、必要なポイントを集めましょう。

合格率取得率は?

取得人数は年々増加傾向にあり、2017年で取得者数は4,440名です。

総会員数が115,587名なので約3.8%程度の取得率です。少し古いデータなので2019年現在はもう少し増えていると思います。

合格率は64%程度です。やや難しい程度の難易度ですね。

年度受験者数合格者数合格率
H28年1669名1081名64.7%
H29年2343名1510名64.4%

診療報酬・給料面での影響は?

我々理学療法士は、診療報酬によって利益を得ています。しかし、悲しいことに国は今医療費の削減に踏み込んでおり、今後もその締め付けは厳しくなってくると思います。

では認定理学療法士の取得によって、診療報酬にプラスなるのでしょうか?

答えは限りなく「ノー」に近いです。

協会の考える競争社会

上記リンクをクリックし、読んでみてください。

理学療法士協会としては、認定理学療法士取得のメリットを国に求めているようです。

半田会長:今、協会として何をしようとしているかというと、認定・専門をとるために何らかの努力をしている人たちを、診療報酬の形としてメリットをつけましょうよ、という交渉をしています。

これは例えですが、簡単に説明すると、脳血管疾患は今200点です。それに対して、脳血管疾患の特別な勉強を行なって、ライセンスを取得した場合、210点。その逆に、それを持っていない人たちが行うと、190点。トータルの診療報酬で考えると今までと一緒ですよ、と。

現段階での構想では、認定理学療法士を取得すると点数が加算される構想のようです。

でもこれって、見方を変えれば、

セラピストによって算定額に差がついてしまいます。

セラピスト間で競争社会を作り出すことはいいことだとは思いますが、雇う側からすると、算定額が少ないと嫌ですよね。

算定額が少ない、つまり売り上げがない者はクビ・・・なんて最悪なパターンもあり得ます。

そして、給与面でもプラスになることは少ないと思います。

現段階では認定理学療法士を取得してようがしていまいが、算定料は同じです。

認定を取得したからといって給料のアップには繋がらない事が現状です。

詳しくは下の記事にまとめたので読んでみてください。

認定理学療法士制度は諸刃の剣!?国の思惑は!? を読んでの感想 ここに教会と国がやろうとしている事が記されています。 今回は理学療法士教会と国の思惑、狙いがどこにあるのか記した...
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受験してみて感じたこと

私は2019年、運動器の認定試験を受けました。

試験を受けるには、「協会指定研修」と「認定必須研修」の2つを受ける必要があります。

私は「協会指定研修」を福岡で、「認定必須研修」をeラーニングで受講しました。「認定必須研修」のeラーニングはどの領域が配信されるかはランダムで、毎年4月頃に協会HPで発表されるので確認しといたほうがいいです。

試験内容など

試験は五者択一で 、「協会指定研修」:共通問題から 9問、 「認定必須研修」 :認定領域問題から15問出題されます。

問題内容、難易度的には捻った問題はなくて、配布資料の中からの出題が主でした。

配布資料は毎年更新されている様で受験前年度に受講した場合、内容が不十分になる可能性があるので最新版を入手しましょう。

試験受験の申し込み時に聞かれます。必ず、はいを選びましょう。

試験対策について

試験を受けた後の率直な感想は、そこまで捻った問題は出なかったです。

勉強方法はスライドを繰り返し読み込む感じで行いました。勉強時間は10~12時間位ですかね。

試験の問題が他の分野と一緒になっており、時間も余っていたこともあって軽く解いてみましたが、勉強しなくても解ける問題がありました。つまり認定領域問題に関しては、正直そこまで難しい問題は出ないと思われます。

ちなみに運動器はエビデンスに関わる問題が半分くらい出題されていました。配布資料を読み込めば十分対応できると思います。

むしろ共通問題の方が難しく(範囲の割に問題数が少ない)感じました。ですから、共通問題:認定領域問題⁼7:3位の割合で勉強すればいいと思います。

共通問題の方は、普段聞きなれない単語等が多いので、しっかり意味を理解しながら勉強しましょう。

これからの認定理学療法士は

現行の生涯学習制度は平成33年4月(令和2年)には変更になります。

新たに登録理学療法士:現新人教育プログラムに該当、登録理学療法士:理学療法士が更新制になる、が導入され今後認定理学療法士の取得は必須となってくるでしょう。

認定理学療法士はもはや当たり前の資格となっていきます。

新制度が始まるとこれまでの履修ポイントは全て無効となるので注意が必要です。

取得を目指すなら早め早めに行動しましょう。

新・生涯学習制度について 認定理学療法士は必須資格になる?2021年に理学療法士の生涯学習制度が変更されます。この制度も変更によって我々理学療法士を取り巻く環境も大きく変わってきます。今回は、理...

私の考える認定理学療法士取得のメリット

あと数年で理学療法士の生涯学習制度が大きく変化します。

そのような中で私が考える認定理学療法士取得のメリットをいくつか挙げたいと思います。

自分を自己研鑽に追い込める

理学療法士は日々研鑽に励まないといけない職種です。

認定理学療法士は、取得するまでも、そして取得してからもポイントの更新を進めていかないといけません。

このような環境に身を置く事で、常に自分を研鑽に追い込めるのです。

講習会を開催出来る

認定理学療法士を取得することで講習会の依頼があります。

また、申請を行えば自分で講習会を開くことが出来ます。

講習会を開くことで講師としての講師料を頂けますし、認定の更新に必要なポイントも貯まります。

これはかなり大きいメリットではないでしょうか?

わざわざ高い移動費・宿泊費を払わなくても良いわけですからね。

自分自身に価値を付加できる

少し内容は重複しますが、認定理学療法士を取得することで自分のキャリアに付加価値をつけることが出来ます。

もしあなたが講習会に参加するとして、

A:腰痛に対するPNF

ポイント:なし

B:股関節の理学療法について

ポイント:運動器10P 徒手療法:10P

どちらに魅力を感じるでしょうか?

私は間違いなくBの講習会に参加したいと思います。

Aの講習会も魅力的ですが、やはりポイントが付いた方に参加したいと思います。

現実問題多くのセラピストがそうだと思います。これからは認定理学療法士が必須になる可能性が高いですからね。ポイントは付いた方が良いです。

講習会を多数開くことで、他の講習会にも呼ばれて・・・

こうして、自身のキャリアアップ・自身の付加価値を上げる事に繋がると考えれば、認定理学療法士の取得は決して無駄ではないと思います。

まとめ

今後、認定理学療法士を取り巻く環境・制度も変化すると思います。

現行の制度が終了する前に早めに認定理学療法士を取得することをお勧めします。