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認知症ケア専門士とは!?試験対策は!?

認知症ケア専門士は

認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献することを目的として設立された 一般社団法人日本認知症ケア学会認定の資格です。

認知症ケア専門士は2005年に創設され、2019年現在、第15回目の認定試験が開催されています。
試験内容は1次試験、2次試験に分かれています。

1次試験は4つの領域に分かれており、全ての領域で合格する必要があります。出題形式は五者択一で合格のラインは各分野それぞれ70%の正答率、つまり50問中35問以上正解しないと合格になりません。

2次試験は論述問題の提出と、6人1グループの集団でのディスカッションです。

今回は認知症ケア専門士についてと私が実践した試験対策について、そして取得して感じたことをまとめました。

認知症ケア専門士の受験資格・どの職種に人気?

認知症ケア専門士の受験資格は

認知症ケアに関する施設,団体,機関等において,2008年4月1日~2018年3月31日の間に3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者.認知症ケア専門士公式HPより

この認知症ケアに属する施設は、認知症専門の施設ではなくても良いとのことです。一般的な病院や施設の方で3年間勤務経験を有していれば受験することが出来るということですね。

職種別の取得数を見てみると、圧倒的に介護福祉士・ケアマネの方が多いですね。医療寄りの資格というよりも福祉寄りの資格の為、福祉施設・介護施設で働いている人が多く取得している傾向にあります。
リハビリ3職種では作業療法士の方が多く取得されています。

合格率は年ごとに変動があり、第13回試験(2017年)では56.5%でした。

第10回試験(2014年)59.8%
第11回試験(2015年)59.8%
第12回試験(2016年)49.3%
第13回試験(2017年)56.5%

認知症ケア専門士の役割

認知症ケア専門士は、認知症ケアの高い知識と対応力を求められます。その為、実際の現場の中で認知症ケアのプロとしての役割が多いです。

よく現場で起こりがちな「昔ながらの」、「経験に基づいた」だけのケアではなく、医学的根拠や理論を基にケアを行うことが求められます。また、自分だけではなく、周りのスタッフへの啓蒙・啓発も行うことも重要です。
その為、特に福祉施設や介護施設では重宝される資格の1つです。

試験対策について

受験するにあたって、皆さんも各領域の公式テキストを購入すると思います。
しかし、このテキストが大変分かりにくい!

文章は長いし文字は小さいし、イマイチ要領を得ていないんですよね。

なので私は問題集付きの参考書を購入しました。これ使った方が遥かに分かりやすいし、試験練習になります。

この問題集は予想問題集もついていたので、かなり勉強しやすかったです。

実は私も上の参考書以外に過去問の問題集を購入しましたが、全く内容がダメでした。まとめになっていないし、問題の出し方が公式のテキストをそのまま問題文にしたような感じだったので、かなり分かりづらかったです。何種類かあるようですが、過去問集を買うよりも上の参考書を中心に理解を深めた方が合格しやすいと思います。

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領域別の対策

先ほども述べましたが、認知症ケア専門士の一次試験は4つの領域に分かれています。ここで領域ごとの内容や、どのような事が問われるかまとめてみました。

認知症ケアの基礎

この領域は、認知症ケアの概要的な内容になります。認知症ケアの歴史や、認知症の症状・薬物療法等、基本的な知識を問われる事が多いです。過去問を解いてみても、あまり勉強をしなくてもしっかりと考えれば解ける問題が多いです。

しかし、認知症の種類や中核症状・BPSDの違いなどが出てくることが多いので、基礎の部分とはいえしっかりと内容を理解することが必要です。

認知症ケアの実際Ⅰ:総論

ここからは、認知症ケアの具体的な内容になってきます。

認知症ケアの方向性、認知症ケアの導入、認知症ケアの実践、認知症ケアの留意点に分かれており、認知症の人に関わる制度や社会資源等も出てきます。チームケアの内容も含まれており、認知症ケアを行うに際しての注意点などが問われます。

認知症ケアの実際Ⅱ:各論

この章では、認知症の人の健康管理に関する事や薬物療法・非薬物療法に関する事、リハビリテーションなど、やや医療に関する知識を問われる事が多いです。薬の名前が多く出ますのでしっかりと覚えていきましょう。

認知症ケアにおける社会資源

この章が1番やっかいです。

介護保険制度や医療保険制度、年金制度や成年後見制度など認知症の人の生活をサポートする社会的な仕組みを問われます。

内容的にはケアマネージャーの試験と重複するところが多いのではないでしょうか。

制度の内容の理解や、基本的な用語の理解を求められることが多く、難易度が他の章とは少し異なります。しかし、この章をしっかりと勉強したおかげで、介護保険制度や後見人制度に関して理解が深まったので良かったと思います。

2次試験について

2次試験は6人1グループのディスカッション形式で行われます。

試験前にグループ毎に並んで待つ時間がありますので、その時に簡単な自己紹介と司会進行を決めておくと良いでしょう。他の人も同じ受験生です。司会進行を決めておくとスムーズに試験が進みます。

本番直前にディスカッションのテーマが通達されます。本番中は試験官が2人いて、初めに試験官の進行でそれぞれ1分間で自分の考えを述べる時間があります。そこでしっかりと自分の考えを述べましょう。

その後は試験官からディスカッションを行うよう指示がありますので、あらかじめ決めておいた司会進行の沿ってディスカッションを進めていきましょう。ちなみに私が受験した時の出題は、

「Aさんは施設に入所しています。ある時、Aさんが家に帰りたいと落ち着きがなくなってしまいました。あなたは認知症ケア専門士としてどのように動きますか?」というものでした。

どうでしょう?この題目を見てもわかるように、2次試験は正解がありません。

つまり、どのような答えを言ってもよいのです。もちろん認知症ケアに即した内容に限りますが・・・。

1次試験と違い、2次試験で落ちることはほぼありません。

安心して受験しても大丈夫です。

資格取得後

認知症ケア専門士は5年間の更新制の資格の為、関連する講習会や学会に参加してポイントを貯めなければいけません。

現在、私は資格の更新は考えておりません。

その1番の理由は、費用の問題です。

資格更新に必要なポイントは5年間に30ポイントです。しかし、1つの学会に参加するとおおよそ5ポイントです。

最低でも6回は学会に出席しないといけません。私のような地方の人間にはとても出席できそうにありません。他の資格よりも維持費が高いことがこの資格のデメリットです。

以前別の認知症ケア専門士を取得された方とお話しする機会がありましたが、その方も、その職場の方も更新は難しいと話しているということを言われていました。

もう少し更新のポイント低くしてほしいなってところが本音です。

終わりに

理学療法士として働く中で、認知症の人と接することはたくさんあります。その中で認知症ケアに関する技術・知識を研鑽するのであれば、この資格は最も適していると思います。

しかし、デメリットとして、更新の為の費用が高いことが挙げられます。

デメリットはありますが、これから認知症罹患患者は増えることが予想されているこの国で、認知症ケアに強いセラピストということは大きなメリットになると私は考えます。